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先人の知恵が薬となる

  • 西村
  • 2023年11月28日
  • 読了時間: 3分

更新日:2023年12月21日

 皆さんが普段生活を送っている周辺には、どのくらい植物由来のものがあるのだろうか。実は植物から作られているものはたくさんある。元来自然は人の生活の近くにあったはずだが、だんだんと失われ、見えにくくなったり、意識されにくくなったりしている。人の生活の根元にあり、人が接し、扱ってきた身近な自然を発見した。


 第一弾では、『死を孕む「毒」の匙加減 〜薬と毒〜』という題で、「薬用植物」から作られる薬と、その中でも「毒のある薬用植物」について深ぼった。




 民間薬というのは、お医者さんが処方する薬ではなくて、先祖代々伝わってきた薬を指す。お腹が痛い時、「この植物の葉を煎じて飲んだらいいよ」とか、そういう言い伝えでできたようなもの。そのため、あまり珍しい植物だと、いざ病気の時に手に入らないと困るため、身近な野草とか野菜類とか、そういったものが民間薬に使われることが多い傾向にある。第二弾では、そんな民間薬について紹介する。


オランダキジカクシ


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 これは「アスパラガス」だ。しかし、紹介キャプションには「オフィキナリス」と書いてあった。「オフィキナリス」というのもラテン語で「薬用」という意味らしい。昔は食用というよりは薬用に使われていたそう。海外の植物が入ってくるきっかけは、薬用が多いそうだ。現代では、食用になったり、鑑賞用になったりするものも多い。



ステビア


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 葉っぱが甘いステビアは、園内で一番美味しいらしい。柔らかくて甘くて美味しかった。

 大体、甘味料で言うと砂糖の200倍と言われるほど甘味が強いことから、カロリーを抑えられるので、ダイエット食品によく使用されている。「甘味料(ステビア)」と表記が書いてあるのは、これが使用されている。






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仙草


 噛めば噛むほど粘り気が出てきて、食感が面白い。台湾では、「仙草ゼリー」としてよく市場に出ている。昔は、この植物の粘りで液体を固めて、ゼラチンのように使っていたとのこと。 暑さを凌ぐ働きがあるため、夏場によく食べられるそう。





除虫菊


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 香取線香の原料。花の黄色の部分だけを収穫して、乾燥させて、粉にして、練り物にして、線香を作っていた。6月頃に花が咲いて、収穫して、その年の夏にだけ使う。成分が分解されやすく、一夏を超えると効果がほとんど無くなってしまうため。成分を合成して作られたものも多く出回っているが、最近では、オーガニックブームで、天然のものも人気だという。表記として「天然物」と出ているのは、実際にこの「除虫菊」から作られてるものなのだ。

 「金鳥蚊取り線香」というブランドがあるが、会社名は「金鳥」ではなく、「大日本除虫菊株式会社」という。蚊取り線香の箱の裏を見たらこの植物から取った名前が書いてあるので、ぜひ見つけてほしい。 



西洋白柳


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「アスピリン」は、「アセチルサリチル酸」ということで、有名なところで言うと、「バファリン」の中に、解熱鎮痛成分として配合されている。この「西洋白柳」の木の樹皮や葉に入っている「サリシン」という成分があり、その成分を基に作られたものを「アスピリン」という。「サリシン」をそのまま使うと強い副作用が出て、とんでもない胃腸障害を起こしてしまうので、効果は保ちつつ胃腸障害を軽くするような形に変えたのが「アスピリン」である。ただ、「アスピリン」でも多少副作用があるため、大体こういうこういうものを処方される時は、胃薬も一緒についてくることを、病院に行けば実感できる。


(文 / 西村 )



※植物園を見学させていただき、その情報を元に西村が独自に調べた記事となっております。正確でない情報も含まれているかもしれませんので、ご自分で薬草などを採取する場合は、専門家の意見を聞くようにしてください。

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