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感覚と空間-AMBIENT KYOTO2023-

  • 丸橋
  • 2023年12月30日
  • 読了時間: 3分

ambient Kyotoは京都を舞台にアンビエントをテーマにした、音、映像そして場所といった複合的な要素で視聴覚体験ができる展覧会だ。昨年度の2022はブライアン・イーノ、そして場所を京都中央信用金庫 旧厚生センターにて開催されていた。

 

本年度2023は会場を昨年と同じ京都中央信用金庫 旧厚生センターに加え、京都新聞ビル地下1階も。参加アーティストも坂本龍一をはじめとし、様々なアーティストが音と映像を展開した。


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昨年も訪れたambient kyotoに今年も私は訪れさせていただいた。


 

まず会場が二つあることにも驚きはしたのだが、面白かったのはその昨年との違いだ。昨年はブライアン・イーノ1人の展覧会となっていたため。統一感があり、また会場の展示一つ一つにリラックスをして、聞くものである。といった思いを感じた。

 

今回は統一感がありつつもやはりアーティストが増えているのもあり、やはり昨年度よりは広がって見える。また展示自体もリラックスしてきくというよりかは、回って、一つ一つに没入していくという印象が強い。昨年度が会場自体が大きな渦だとしたら、本年度はそれぞれが細かい渦のようなイメージだ。

 


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そしてその音楽一つ一つも、これもアンビエントなのか?と驚くような曲も多い。私はアンビエント・ミュージックのことを詳しくは知らない。が、そもそもジャンルとしてはバッファロードーターもコーネリアスもアンビエントではないだろう。



実際バッファロードーターは激しいし、コーネリアスの夢中夢なんかは霧の中に入り込み、ある種熱気にまみれたクラブのように視認性が悪く、そこを音と光でトリップさせらるような感覚だった。


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どちらの音楽も私が昨年度見たものとは違う、ただそれが会場を通して、また京都新聞ビルでの坂本龍一の、あの機械とコンクリートの匂いがしそうな展示会場での音楽を経てから見ていくと、それも一種そうなのかもしれないと感じさせられる。私はこの会場に没入し、その場の空気を当たり前に捉えている。それはある種独特な空間だし、空気だ。


匂いから、光、音といった様々なもので五感を支配して、だけれど明確に普段と違う音が、普段の延長線上にあるように聞こえる。そしてそれぞれの場所の使い方も、京都を代表する、だが京都らしさとはまた違った会場だろう。今と昔の間に取り残されたような建築の中で、音楽を聴くのは。今失っている感覚を取り戻すようでもある。場所と音と光と匂いにはそのような効果があるのかもしれない。

 

空間の使い方から何から何まで特殊で面白いambient Kyoto2023もう会期も残り少ないが、開館時間も長いので是非年末の忙しい合間を縫って見てみて欲しい。



ambient kyoto2023公式サイト


(文/丸橋)


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